新納 翔 連載#11 珈琲ブレイク 気になるアプリ紹介「失敗カメラ」~これは写真家に対する問いかけなのか?~|日本の インスタグラマー コミュニティ IGersJP
前回、iPhone写真の未来Vol.1を書いて続編は書いているのだけど、ちょっと珈琲ブレイク。
使えるアプリ紹介はえんぞうさんに任せるとして、先日気になったアプリがあったのでそれを紹介したいと思う。
その名も「失敗カメラ」。ははーん、またネタアプリかと思いTwitter上でも失笑されていた。
APPストアの紹介ページには、「世界中のどんなに優れたカメラマンでも、必ず失敗するカメラです」とある。
しかもその作例写真を見るに、おそらく撮った写真の上から余計な画像をかぶせ、失敗してしまうという子供騙しみたいな趣旨のようだ。
作例を見ると、海辺のツーショット写真にちょうど鳥が入っていたり、いかつい男性が入っていて肝心な二人はほぼ見えないという具合。
おそらくアプリ制作者もネタアプリのつもりなのだろうが、これで有料とはなかなか強気だ。全くふざけている。
85円とてもう少し出せば雪見大福が買えるではないか。
なぜそんなネタアプリらしきものをわざわざ紹介するかというと、しばらくして「必ず失敗する」という文言が妙にひっかかったからだ。
シャッター押した瞬間に鳥が丸被りするなどどう見てもナイスタイミングである。狙ってできる代物ではない。果たして失敗なのであろうか。
むしろ、お見事!と言いたくもなるってものだ。そもそも失敗というのは、撮影者の意図にそぐわないというだけで、見る側からすればまた別の話なのだ。
世界中のwebにばらまかれているiPhone写真の中で、赤の他人のツーショット写真とこの見事に鳥が入った写真のどちらが面白いのであろうか。
僕は鳥の方に一票を投じたい。
逆に「成功カメラ」なんてものがあったらどうであろう。「世界中のどんなに下手なカメラマンでも、必ず成功するカメラです」と書かれるはずだ。
これなんてもっとインチキくさい。でも適当な言葉を並べれば買う人はいるんだろうな。考えてみると、先の話から言えばデフォルトのカメラこそが「成功カメラ」なのかもしれない。
「失敗カメラ」、一見ネタアプリにも思えるのだが、私には、写真において失敗したとは何なのですか?その写真には価値は本当にないのですか?
本質を見失っていませんか?などと聞かれている気分になる。
そしてようやくこのアプリ開発者がしたいのは、写真家に対する問いかけなのだと気づくのである。
写真行為は時として撮り手の意図とは無関係の場所にあるということを。
ちなみに私は怖くて購入しておりませんので、どなたか購入されたら一報下さいませ。かしこ。
p.s. この作者はキヤノンが嫌いなのであろうか。ここまでどうどうとキヤノンのカメラにバツをいれてアイコンにするとはやはり強者だ。
ゲットは以下で(wえんぞう)
- iphoneで夜景をなんとか撮る方法。
- Webstagramがツールを公開したぞ!
- Casetagramが届いた!(My Casetagram arrived!)
- 我らがギズモショップから高い女子力のGIZMON iCA Leather Case & Strapが出た。
- 久々に良質なカメラアプリ登場の予感。Booster!
- 我らがギズモショップからGIZMON LENS SERIESが出た。
- Hipstamaticフェチならマスト。
- ところでiPhoneって何に入れて持ち運んでます?
- 新納 翔 連載#06 アプリに使われていませんか?
- 新納 翔 連載#02 ノイズ
こちらの記事もどうぞ。:
- instagram for androidがやってきた!やあやあやあ。
- 汚し系フィルタアプリでえんぞう的に一番ではないかと思ってるアプリ。
- iPhoneography読本。
- ミラーレスカメラでオールドレンズ遊びでもする話。
- iPhoneで雪を撮る。
最近のコメント